インタビュー連載 One Sky.~同じ光、風、思い。
かすみがうらマラソンには大会の成功を裏から支えるボランティアがたくさんいることを知っていますか?コース沿道の応援やエイド、障がい者ランナーの目となる伴走者、ゴール後にコンディショニングをするなど、ボランティアはいつもランナーを笑顔で迎えています。本連載はインタビュー形式で、かすみがうらマラソンを支える人達の思いを探っていきます。
連載9回目は、「私設エイド」として支える、かすみがうら市在住の薬師寺文子さんと、薬師寺さんの熱い思いに賛同し何十年も一緒にお手伝いをしているお母さんたち。約27キロ地点の住宅敷地内に私設エイドを設置し、手作りの料理でランナーをもてなしています。「皆さん元気にここは通過してほしい!」と力強く語る薬師寺さん。始めたきっかけ、そして突然の休止から復活に至った理由とは。
私設エイド・27キロ地点のお母さんたち
―私設エイドを設置したきっかけはなんですか
かすみがうらマラソンが1月に開催していた頃、自宅の前で1人で応援していました。そうしたら、風が冷たくて身体が冷え切ったランナーが「お母さん、何か着るもの無い?」と初めて声をかけられたの。「着るものー!?」・・・
そこでパッとひらめいたのが、ゴミ袋!首と腕のところを切り抜いて被せてあげました。
その後、ゴミ袋を欲しがるランナーが続々と押し寄せたのでみんなに被せてあげたの。その当時のゴミ袋は黒かったから、なんとも言えない黒い集団が走っていて不気味でした。
でも、これで暖かく走って行けるかな。最後まで元気にゴールしてほしいと願い次の年もゴミ袋を用意して応援を始めたのがきっかけです。
―27キロ地点は体力が消耗され、お腹が空きやすいころだと思います。人気のメニューはなんですか?
人気といえば、レンコンの天ぷらでしょうね。今年は天ぷらの他に煮ておこうかなと思うの。母ちゃんの味。レンコンは切ってから煮ると糸が引かないの。でも元の形のままで煮たら、切った時糸(繊維)が引くの!糸を引いて粘るように走れるようにとメッセージを込めます!
―ランナーも喜びますね。
提供する料理はなるべく冷めないように工夫してます。去年はあるランナーが「あ!あったかいおにぎり!」と喜んで食べてくれました。
今年も、少しでも温かい料理を提供しようかなと思います。
他には冷たいお水と温かいお茶も用意しようと思います!
―大人気の私設エイドなのですね。しかし数年間私設エイドをやめていたと聞きました
そうなんです。「もうやめました!」って皆さんに宣言して、ピシャッと応援をやめたんです。コロナもあったし心境的にも。でもやっぱり気になるんだよね。そしたら昨年の1月頃、あるユーチューバーが「この辺で有名な私設エイドがあるよね!当日きっとここでエイドをやってくださると思います!皆さん楽しみにー!」って流れちゃってるわけよね。それですぐにさっちゃん(宮崎幸子さん)に相談したの。あれじゃあ、嘘つくわけにいかないから、楽しみにしてくれてる方がいるんだからやろう!となってすぐみーんなに声かけたの。それで昨年復活したんです。
―ものすごい行動力ですね!
私設エイド独特の地域の人たちの「助け合い」「協力」だと思います。それはマラソンだからといってできることではないし日々の人との繋がりかな。心強いと思う。私もそれで助けられるから。一人じゃ絶対できないことだから感謝しています。
―皆さんにとって、かすみがうらマラソンはどんな大会ですか?
最高だよね。特に、この霞ヶ浦に面したところを駆け抜けてくれるっていうのが、私たちにとってお祭りだよねー!!だから、ずーーっとやって欲しい。私たちも腰が曲がっても、這いつくばってもここに立ちたい!
かすみがうらマラソンがあるから「やろう!」と沈みかけたおばさんを立ち上がらせてくれるんです。
―最後にランナーに向けて一言お願いします。
皆さんに喜んでいただけるようにたくさん提供したいと思います。だから皆さん元気にここは通過してもらいたい!(薬師寺さん)
みんなの輪でおもてなしをします。(長峰さん)
とにかく頑張っていただきたい。(椎名さん)
当日は、爺さん婆さんでおもてなしをしますので必ず27キロ地点には来てほしいと思います。頑張ってください!待ってます!(宮崎さん)
インタビュー連載一覧
File No1.
キロ表示ボランティア 石原之壽さん
File No2.
応援川柳参加者・鬼丸のりぞうさん
File No3.
市民ランナー・古山明美さん
File No4.
つくば国際トレーナー活動研究会
File No5
私設エイド・石川喜一さん
File No6.
私設エイド・山口優一さん
File No7.
ガイドヘルパー・日立建機株式会社
File No8.
応援ボランティア・あゆみ太鼓