インタビュー連載 One Sky.~同じ光、風、思い。
かすみがうらマラソンには大会の成功を裏から支えるボランティアがたくさんいることを知っていますか?コース沿道の応援やエイド、障がい者ランナーの目となる伴走者、ゴール後にマッサージを施すなど、ボランティアはいつもランナーを笑顔で迎えています。本連載はインタビュー形式で、かすみがうらマラソンを支える人達の思いを探っていきます。
キロ表示ボランティア 石原之壽さん
連載1回目は、「キロ表示ボランティア」として支える土浦市在住・壽ちんどん宣伝社・座長の石原之壽さん。コース上で何キロ地点かを示す「キロ表示看板」を設置しながら、ちんどん音楽でランナーを応援しています。「20年前からやっています」と笑顔の石原さん。1日のスケジュールや必需品、そしてその原動力とは。
―キロ表示ボランティアを始めたきっかけは何ですか。
私が住んでいる土浦市で開催している大きなイベント「かすみがうらマラソン」を、自分ができることで応援したいと思いました。ちんどん屋のにぎやかな魅力をランナーに見せたいと、20年前からやっています。現在は壽ちんどん宣伝者として、ゴール手前の41キロ地点で応援していますが、一番初めは、個人名で、一人ちんどんで参加していました。懐かしい思い出です。近年ではちんどん屋の姿を実際に見たことがない人が多いですよね。今は、昔懐かしい「昭和レトロ」のような存在にもなっています。「人・街の笑顔と元気の応援団」をモットーに活動中です。(2018年全日本チンドンコンクール素人部門で優秀賞を獲得)
―なんと20年前から!今大会で32回なので、本当に地域の方に支えられていると実感します。かすみがうらマラソンの風物のようですね。どのように応援しているのですか。
風物になっていればうれしい限りです。かすみがうらマラソンにはちんどん屋の仲間が全国から10人前後集まります。ちんどん屋は人目に付く格好をします。例えば和装や話題になっている衣装姿で、ちんどん太鼓、ゴロス(大太鼓)、クラリネット、アコーディオン、ギターを使って、ちんどん屋の定番曲やリズム感のある曲を演奏します。「チン・チン、ドン・ドン、ちんどん、どん・・・♪♪」というようにね。
―見ても聞いても楽しめそう! 1日のスケジュールが気になります。
午前9時から顔の化粧をし、衣装に着替えて、10時半ごろには41キロ地点でキロ表示の設営をします。雨が降ることを想定して簡易テントを張る場合もあります。最初のランナーが来るのは先導車で分かるので、そこからちんどん屋の応援が始まります。全員がずっと続けるのも大変なので、順番に休憩して。指定の時間まで続け、片付けをして解散となります。
―皆さんの必需品はありますか。
やはり食事とホッカイロですね。事前にコンビニで昼食のおにぎりやお菓子を買っておきます。そして4月中旬はまだ寒い。ホッカイロも必要になりますよ。
―41キロ地点はランナーにとって疲れが溜まり苦しい地点である一方、ゴールを目前に最後の力を振り絞る地点でもあります。どういった思いで応援していますか。
ここまで頑張ったのだからゴールまでのあと少しを楽しんで走ってください!という気持ち。「最後の応援団」なので、楽しんで応援しています。
―応援する側の石原さんが、逆にランナーから元気をいただいたことはありますか。
ランナーから「本当にありがとう」「力付くわー!」「最高」とうれしい言葉をたくさんいただいて、パワーをもらえますね。お互いがこだまし合うということです。原動力につながります。外国人ランナーにも喜ばれることもあって、音楽の力はすごいなと思いました。一般の応援客からも「ちんどん屋の応援はいいな」と言っていただけます。
―石原さんからランナーに向けてエールをお願いします。
ラストの41キロ地点では、ちんどん屋の演奏でパワーを送りますので気持ちよく走り切ってください!