レンコン、おしるこ…名物が目白押し!

サブ4ガチ勢にも手厚く 快走しても“撃沈”しても満喫できる「春のかすマラ」

マラソンシーズンの締めくくりとなる春レースは、どこを走りますか? オススメは何といっても「かすみがうらマラソン」です。シーズン最後のチャンスとしてタイムを狙うもよし、のんびりファンランを楽しむもよし、ダイエットの一環としてもよし…。それぞれの楽しみ方で“春の茨城”を満喫することができます。

 

さらに、2024年大会からは、記録狙いの中でも「サブ4」をターゲットとするランナーに朗報が! 例年のペースアドバイザー(ペーサー)に加えて「サブ4応援ペースアドバイザー」も新たに登場。市民ランナー最初の壁、4時間切りを「かすマラで達成したい!」というランナーへのサポートが手厚くなったのです。

 

そんなペーサー陣のお一人にコース攻略のコツを聞いてみると、「前半に起伏がありますが、あまり意識しすぎないことですね。上り坂も無難に越えていって、後半に崩れないようにしましょう」とのこと。

そう、かすみがうらマラソンの特徴は…

  • 内陸部を走る前半→そこそこアップダウンあり
  • 霞ヶ浦湖畔を走る後半→めっちゃフラット

という極めて分かりやすいコース。つまり、前半の起伏で力を使い過ぎると後半は厳しい戦いになりますが、前半の消耗をうまく抑えれば、後半は平坦な道を突き進めることになります。もちろん、レースに向けて十分な練習を積んできたことが大前提になりますが。

 

では、具体的にどんな感じのコースなのか、紹介していきましょう。

フルマラソンの部のスタートは、他大会と比べるとややゆったり。9時45分から3ウエーブでスタートしていきます。

号砲とともに聞こえてくる「フォーーーーッ‼」というハイテンションな雄たけびは、ランナーを見送る大会アンバサダーの有森裕子さん。これを聞くと、「ああ、今年もかすマラが始まったな」と感じる瞬間です(有森さんはコース途中でも激励してくれます)。

さて、かすみがうらマラソンは、スタート・フィニッシュ地点となる土浦市・川口運動公園を起点に時計回りに円を描くワンウエーコース。最初の1km付近でいきなり跨線橋の起伏があり、2km手前で現れるのが約400mほどドーンと続く長い上り坂!

ここが第1の難関ですが、決して力んで駆け上がってはいけません。上りがあるということは、いずれ下りもやってきます。『スタートは 茨城ダッシュは やめっぺよ』(ター坊ママさん作)の心掛けでいきましょう(笑)。

最初の5kmの給水所を過ぎて右折し、進行方向は東へ。ここで向かい風(東風)を感じたときは「当たり年」。後半は西に向かって走るので、文字通り、タイム狙いへの追い風になるからです。ここからしばし、沿道の応援も賑やかな広い通りを走ります。

7km付近で再び跨線橋。橋のてっぺんから後ろ振り返ると、名峰・筑波山がきれいに見えます(もちろん誰も振り返りません)。橋を下ったところにあるのが、コース最大の日立建機のエイドステーションです。

10kmくらいになると、徐々に新緑豊かな田舎道へ。耳を澄ませば、ランナーの足音や息づかいとともに、ウグイスの鳴き声が聞こえてきます。うまく木陰で日差しを避けつつ、地元の皆さんの応援に手を振りながらリラックスして走りたいところです。

そして、15km地点の前後に現れるのが、コース最大のアップダウン――300~400m続く長~い下り坂と長~い上り坂。ここで一生懸命下って上ってしまうと、平坦な道に戻ったときに確実にオーバーペースになります。鮮やかに咲く菜の花を眺めながら、ペーサーさんの助言通り「意識しすぎず、無難に走る」のがポイント。

20km付近にも起伏があり、お城のような歴史博物館の前で「ご当地戦隊ガウラーC」の出迎えを受けると中間点。そしてその先が、右手に雄大な霞ヶ浦が姿を見せるハイライト、500mほど続く長い下り坂です。いよいよ湖畔を西へ走る後半戦へ!

ここまで余力を残してうまく走れた方は、あとはフラットな道をゴールに向かってひた走るのみ。細くなる道幅や路面の凹凸、そして、日が高くなり暑くなる時間帯のため、水分補給に注意しながら力を尽くしましょう。前半で脚が売り切れた方も、レースを投げ出してはいけません。ファンランでも楽しみがいっぱいなのが“かすマラ”です。

コース前半にも「おいもステーション」などの目玉がありますが、後半も私設を含めて充実のエイドが目白押し! 塩分補給に良い梅干しや、地元名産のレンコンの天ぷら、糖質補給にはもってこいのおにぎり、パン、そして大会名物の「おしるこステーション」もあります。全部口にしていたら、逆に走れなくなるかも(笑)。 何より、アップダウンがほぼないのが“撃沈ランナー”にはありがたし(私も何度救われたか…)。コールドスプレーや水シャワーを浴びて、湖の向こうの牛久大仏を探したり、レンコン畑の収穫の様子に驚いたり、世相も反映した茨城弁の応援川柳に笑って気分転換したり。いろんな楽しみ方をしてみてください。

再び筑波山が目前に姿を見せ、学生ボランティアの皆さんの大声援が、ひときわ大きくなるとゴールは間近。山あり谷あり、平坦ありの42.195kmも、いよいよフィナーレです。見事に完走を果たした後は、会場のキッチンカーで反省会するもよし、土浦市内の「グルメマラソン」(アスリートビブス提示でサービスが受けられます)に繰り出して祝杯を挙げるもよし。レース後の“リカバリー”もバッチリです。

駅から会場も近く、アクセスも便利な“かすマラ”へ、2025年もぜひ、ねばねばっと走りにきちゃいましょう!

文・写真/高橋幸司

茨城県出身。ランニング雑誌編集を機に走り始め、走歴6年。かすみがうらマラソンには2019年から4度参加。秋につくば、春にかすみがうらと、故郷の2レースを走るのがライフワークとなっている。マラソンの自己ベストは3時間55分20秒。

かすみがうらマラソン大会事務局

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